人と犬が豊かに暮らす社会をめざして
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愛犬と共に地域社会を活性化する―パドックNAGANOの未来
設立の背景とこれまでの活動
2014年、私たちは「NPO法人家庭犬育成協会パドックNAGANO」を立ち上げました。この年、全国で23,173頭もの犬が保健所に引き取られ、うち7,843頭は飼い主自らが保健所に連れてきたものでした(環境省「犬猫の引き取り及び負傷動物等の収容ならびに処分の状況」)。一度は家族として迎えられた命が、人間の都合で手放される―この現実に、深い悲しみと疑問を抱きました。
なぜなら、私たちにとって愛犬は我が子同然で、自らの手で命の危険に追い込むことなど到底考えられなかったからです。犬がいる暮らしは幸せそのものでした。目の前で幸せそうにしている愛犬とは裏腹に消されていく命があることにショックを受けました。
私たちは考えました。「どうすれば、犬が“最後まで家族”でいられる社会になるのか」と。
そこで目指したのは、初めて犬を迎える人でも気軽に学べるしつけの場や、犬と暮らす喜びを分かち合えるコミュニティをつくること。それがパドックNAGANOの原点です。
これまでに開催してきたしつけ方勉強会やイベントは200回以上、参加者は延べ4,000人を超えました。犬に対して穏やかに接することや「みんなで、みんなの犬を大切にする」空気が自然と育ち、人と犬との心地良い関係が広がっていきました。
設立から10年、殺処分の数は全国的にも大きく減り、長野市では、今では犬の殺処分はほとんどありません。法整備や市民の意識向上、そして見えないところで地道に努力されてきた方々のおかげです。ただ、それでも人間の都合で苦しめられる命がゼロになったわけではありません。私たちはこれからも人間のエゴで苦しめられる命がなくなるよう課題に向き合っていきます。